世界を食べ歩いた浜田氏が東京を選んだ理由

2025年12月17日

食べに行きたい、ここでしか味わえない東京

東京では、伝統的な江戸前料理をはじめ、日本中・世界中の様々な食文化を楽しむことができます。

本事業では、東京が誇る多彩な食の魅力を世界中の旅行者に広く発信し、実際に東京を訪れてもらうために、著名な美食家である浜田岳文氏にもご協力いただき、海外のジャーナリストや発信力の高い著名なシェフ、旅行代理店の方々に東京の食を体験していただきました。

「海外では体験できない『本当の日本食の味』」 「海外発祥料理の東京独自の発展」、「東京の食の多様性」という3つの大きなテーマを設定し、それぞれ都内の飲食店や食に関わるスポットを体験してもらいました。

世界を食べ歩いた浜田氏が東京を選んだ理由

浜田岳文氏は、2018年以来、6年連続でOADトップレストランレビュアーランキング第1位の座を守り続けており、国際的に大きな影響力を有しています。青春時代は関西、その後アメリカ、フランス等への滞在を経験し、今では訪れた国は100カ国以上、世界中の料理を探求し続けています。しかし、暮らしの拠点に選んだのは、ここ「東京」。その理由について浜田氏は「東京には世界最高のレストランシーンがある。東京に住み、そして多くの時間を過ごすことを決めたのは、そのためです。」と語ります。

東京の食文化を支えるもの

東京の食文化の特徴の1つが、世界でも類を見ないほどのレストランの多さです。
「東京の食文化がこれほど発展したのは、新しいレストランの開業しやすさが関係しています。例えばパリでは、既存のレストラン経営者から営業権を買い取る必要があり、新しくゼロから開業するのは非常に難しい。しかし東京では、その障壁が極めて低く、次々と新しいレストランが生まれます。さらに東京には、小規模経営のレストランが多くあり、10席にも満たない店が珍しくなく、料理人が一人、もしくはごく少人数で切り盛りすることも多い。このスタイルは、寿司や懐石料理に限らず、東京のフレンチやイタリアンでも見られ、規模を自由に決められるからこそ、シェフは料理そのものに集中し、質の高さを追求することができるのです」
こうした環境によりシェフたちは、料理の腕の研鑽に専念できることから、「彼らの料理には職人精神が根付いている」と浜田氏は強調します。「東京のシェフたちを特別なものにしているのは、職人技、つまり匠の技なのです。東京では蕎麦であれ寿司であれ、料理の技を極めることが何よりも重視される。東京のシェフは、経営よりもまず料理の完成度を突き詰めることに情熱を注いでいるのです。この職人精神が、東京の数多くのレストランでそれぞれ独自のスタイルとこだわりを生み出していると言えます。
一方で、世界的に日本食の認知が高まりながらも、海外で「本当の日本食の味」を体験できる機会はほとんどないといいます。「寿司や和牛といった日本食に世界中の人々が関心を持つようになりましたが、彼らが「本物」に触れる機会があるかというと、そうではありません。たとえばフランスには素晴らしい魚料理がありますが、伝統的には魚は加熱して食べるのが一般的で、生で食べる文化がありません。つまり、新鮮な魚を適切に管理しながらパリに届けることは難しいのです。しかし東京では、それが可能になる物流システムが整っており、新鮮な生魚を使った本物の寿司を楽しむことができるのです。」
東京の食文化は、料理人の職人精神、新鮮な食材を届ける物流システム、そして素晴らしい食材により支えられていると言えます。

東京の食の多様性

東京では、寿司やラーメンといった旅行者から人気の高い料理の選択肢が豊富ですが、「むしろ、寿司やラーメンをすでに経験した人々にこそ、東京のレストランシーンの多彩さや奥深さをもっと探求してほしい」と浜田氏は語ります。
「東京には、日本料理以外にも、世界のどの都市にも負けないほどの多様なジャンルのレストランがあります。」例えば、東京のピザシーンは今、世界の食通たちの注目を集めています。「今や、世界中のフードジャーナリストやシェフたちが東京を訪れ、ピザを楽しんでいます。これは、非常に興味深い現象です。ナポリの伝統を忠実に守る店もあれば、日本の食材を活かした独創的なスタイルを確立している店もあります。ここにも細部へのこだわりと、完璧を追求する姿勢、つまり職人精神が息づいています。」
浜田氏は、東京の食シーンの魅力についてこう続けます。「パリやニューヨーク、バルセロナのような都市であれば、その街のレストラントップ10を挙げることは可能です。そして、そのうち5、6店については大多数が同意するでしょう。しかし、東京ではそれが不可能なのです。素晴らしいレストランがあまりにも多く、それぞれが異なる個性を持っているので、全員が同じ10店を挙げることなどありえません。高級レストランから、路地裏にひっそりと佇む隠れ家のような飲食店まで、東京の食シーンは、それほどまでに多様で、奥深いのです」

世界に向けたメッセージ

「今回は、世界で活躍するジャーナリストやシェフに東京の食を体験いただきますが、彼らは自国で味わうものと東京で味わうものの違いを理解できるはずです。そして、この体験が彼らの報道活動や彼らが関係する世界中の食関係者や旅行者にどう影響を与えるかは、計り知れません。ぜひ東京という街の食文化の奥深さを伝えられればと思います。」と、浜田氏は本事業への意気込みを語ります。
そして最後に、浜田氏は東京とこの街の食文化に興味を持つすべての人々にシンプルなメッセージを送ります。
「東京の職人たちがどれほどの情熱を持って食と向き合っているのか、それを実際に目の当たりにすることは、きっと素晴らしい体験になるはずです。ぜひ東京に来て、職人魂を体験してください」

(本記事は、2024年度東京都で実施した東京の食の魅力発信プロモーション事業の実施レポートです。)

事業協力者

浜田 岳文氏
1974年兵庫県宝塚市生まれ。米国・イェール大学卒業(政治学専攻)。 外資系投資銀行と投資ファンドにてM&A・資金調達業務とプライベート・エクイティ投資に約10年間携わった後、約2年間の世界一周の旅へ。帰国後、資産管理会社(ファミリー・オフィス)社長を経て株式会社アクセス・オール・エリアを設立、代表取締役に就任。 世界約128カ国・地域を踏破。一年の5ヶ月を海外、3ヶ月を東京、4ヶ月を地方で食べ歩く。2017年度「世界のベストレストラン50」全50軒を踏破。「OAD Top Restaurants(OAD世界のトップレストラン)」のレビュアーランキングで2018年度から6年連続第1位にランクイン。国内のみならず、世界の様々なジャンルのトップシェフと交流を持ち、インターネットや雑誌、ラジオなど国内外のメディアで食や旅に関する情報を発信中。2024年6月、自身初の著書「美食の教養 世界一の美食家が知っていること」をダイヤモンド社より出版。
Instagram
https://www.instagram.com/takefumi.hamada

東京の食文化の奥深い魅力に迫る

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