天ぷらとイスラム文化が融合。食の多様性が進化する東京で味わうハラール食
世界屈指のグルメ都市・東京では、長い歴史の中で食の多様性が進化し続けており、古くから受け継がれる日本料理から世界各国の料理まで、幅広い食文化を味わうことができます。この傾向はハラール食においても同様です。調理や盛り付け、食し方などに独特なマナーやルールがある日本料理も少なくありません。しかし、そういった制約を乗り越えた対応が広がり、ハラール食でありながら最高峰の和牛や天ぷらを味わえるという「高品質でおいしい料理」の選択肢がますます充実してきています。
実際に、ハラール認証を取得する飲食店は増加しており、東京でのムスリムフレンドリーの環境は拡大しています。和食であっても安心してハラール食を楽しんでもらえることでしょう。
高い調理技術と厳選された食材で、衛生的かつ安心できるハラール食を提供する東京の天ぷら料理店と料理人の取り組みを紹介します。
本格的な日本食の「安心とおいしさ」をハラール食で
「ハラール食」とは、イスラム教徒が飲食することを許されている食品や料理全般を指します。一般的な和食には、アルコール分が含まれる伝統的な調味料や豚肉を使った料理など、ハラール食において禁忌とされる要素が含まれることが多くあります。そんな中で、ハラールが保証された本格的な和食を体験できることは、訪日旅行客にとって大きな魅力になります。
実は「ハラール認証」には世界的な統一基準がなく、日本では複数の権威ある認証機関が審査することで公式に保証しています。食材の調達段階も含めた原材料のチェック、交差汚染を防止する製造や食材の保管環境、屠畜方法の確認などを徹底。認証取得後も定期的に監査をすることで、「安心感」と「おいしさ」の両立を確実なものにしています。
また、飲食店がハラール認証を取得するためのサポートを行っている自治体もあり、ムスリムフレンドリーな環境づくりの後押しとなっています。
ガストロノミーツーリズムの進化とともに多様なニーズに応える東京
世界的に注目されている日本食を味わいたいと、ガストロノミーツーリズムで多くの方が来日。その中には、世界人口の約25%を占めるムスリムも多く、ハラール食の需要はさらに高まっています。幅広い食文化、日本中から優れた食材や技術が集まる東京は、ハラール食にとっても最適な材料を入手しやすい環境。そこで本物かつおいしい日本料理を、優れた職人の調理技術や工夫によって、ハラール食で味わうことができるのです。これらはまさに東京の食のイノベーションを象徴しており、国際的で多様な食のニーズに応えるこの東京の魅力と言えるでしょう。
国際レベルのハラール認証を取得した「Tempura Asakusa SAKURA」
「Tempura Asakusa SAKURA」の入り口から日本らしい雰囲気を感じることができます。
東京にある「Tempura Asakusa SAKURA」 は、国際レベルの認証団体「日本ハラール協会」でハラール認証を取得、天ぷらをメインとする本格的な和食を提供するお店です。
天ぷらでハラール食を実現する「Tempura Asakusa SAKURA」オーナーの飯田岳大氏
オーナーである飯田氏が、さまざまな日本食の中から「天ぷら」を選んだ理由は、野菜や魚介類、和牛など、日本の良質な食材を幅広く楽しんでもらえると考えたからです。
「国籍・宗教・文化・ライフスタイルにかかわらず、誰もが楽しめる食体験にする」と語る飯田氏。東京の料理人が体現する、日本の食の精神に共通する思いを持っています。
食材は、最高級の和牛サーロイン、新鮮で活きの良い車海老、旬の江戸東京野菜などを厳選して仕入れ、日本料理歴40年以上のベテラン料理人がレシピを開発。伝統的な技術に基づいた本物の和食を提供しています。
仕入れの段階から店内での調理に至るまですべてをハラール仕様に徹底していることで、誰もが安心して食べられるだけでなく、食材を無駄なく使い切れることで食品ロスにもつながっています。
ハラール食で本格的な和食を堪能
車海老、キス、イカ、海鮮の天ぷら。どれもサクッとした食感を楽しめます。
天ぷらの中でも、新鮮な状態で揚げられた車海老の食感と風味は格別です。キスは最高級の肉厚なものを使っており、サクッとした衣と中のふわっとした身の食感のコントラストがおいしさを際立たせます。イカは桜の木のスモークで香りを付け、炭を練り込んだ衣で香ばしく仕上げた独自の調理法です。
ハラール認証を受けた和牛の天ぷら。シンプルな調味料で旨みを引き出します
ハラール認証を受けた和牛の天ぷらは、シンプルにわさびや塩で食べることで、柔らかいサーロインの食感と脂の旨みを際立たせてくれます。
特殊な技術の日本製フライヤーで、サクッとした食感を楽しめます。
「Tempura Asakusa SAKURA」では、小麦粉に日本の米粉を配合した衣を使用。また、特殊な技術を使った日本製フライヤーを導入することで、衣が吸う油の量を大幅に削減しています。こういった工夫によって油っこさを感じないサクッとした食感を実現しているのです。
好きな天ぷらをご飯の上に乗せて食べられるオリジナルの天丼セット。
このお店の天丼は、ご飯と天ぷらが別の皿で提供されるスタイル。好きな天ぷらを乗せて楽しんだ後は、別添の出汁をかけ、出汁茶漬けにしても楽しめるとのこと。「出汁」の繊細な風味を、ハラール食で安心して楽しめるのも、ここならではの特別な体験です。
さらに天丼の味わいに欠かせないのが天丼のタレです。一般的には、アルコールを含む「みりん」を使いますが、みりん不使用でも深いコクとうま味を感じられる特製ダレを開発しました。
野菜の天ぷらは、東京近郊の食材を使用。
東京近郊の旬の野菜で作られる野菜の天ぷらも人気。とくにネギは、1885年に創業した老舗のネギ問屋から仕入れる、伝統的な江戸東京野菜「千住ネギ」を使用しています。
「食に制限がある人でも、日本の食の魅力を東京のどこでも気軽に楽しめる環境になるよう促していきたい」と話す飯田氏。ここ「Tempura Asakusa SAKURA」に見られるように東京は、国籍・宗教・文化・ライフスタイルに関係なく最良の食体験ができる街として、進化・拡大し続けています。
Tempura Asakusa SAKURA
市川 祐也
いちかわ ゆうや
大手建設機械メーカーにて10年以上エンジニアを務めた後、Webマーケティングを経て飲食業へ。日本の良質な食材を広く提供できる「天ぷら」に着目し、2024年4月、世界中から訪れる人々に「東京で最高の天ぷらを味わって欲しい」との思いで同店をオープンした。
住所
東京都台東区雷門2-18-16 THE CITY浅草雷門7F
https://tempura-asakusa.com/
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