快適に外食を楽しむためのポイント​

2025年12月18日

東京の飲食店は清潔でサービスの質も高いことで知られていますが、旅行者は文化の違いに戸惑うことがあります。 
飲食店での適切なふるまいを知っておけば、東京の食体験をさらに楽しむことができるでしょう。 
このガイドでは、お店もゲストもお互いが気持ち良く、快適に外食を楽しむための行動のポイントを紹介します。

予約で気をつけたいこと

予約不可のお店を除き、日本でも人気の飲食店は事前予約がおすすめです。もしも予約した飲食店をキャンセルしなければならなくなった場合は、webや電話でキャンセルの手続きを行いましょう。連絡しないとお店に多大な迷惑がかかりますので、必ず守ってください。

予約をしたら、日本では時間厳守が基本。予約時間に遅れることもお店に迷惑をかける行為です。やむを得ず遅刻する場合は、できるだけ早くお店に連絡しましょう。

旅に予定変更はつきものですから、もしもの時のために、予約取り消しルールや料金の規定(キャンセルポリシー)を事前確認しておきましょう。予約サイトや予約時の電話で確認できます。 大人数での予約の場合、キャンセルや時間変更によるお店への影響が大きいため、特に注意が必要です。

予約をしていない場合、人気の飲食店では行列ができていることもあります。その際は列の最後尾に静かに並び、割り込みをしないようにしましょう。日本では「並ぶ=礼儀を重んじる文化」として大切にされており、横入りはルール違反。クレームを申し立てても順番が優先されることはありません。

人気店では行列ができることも。静かに順番を待ちましょう。

ドレスコード と香りのマナー

高級店では、ドレスコードについても注意が必要です。『スマートカジュアル』など、多くの場合、服装が指定されており、半ズボン、Tシャツ、トレーナー、パーカー、サンダルなどのカジュアルな服装は、入店をお断りされる場合がございます。上品な装いを心がけてください。和室に肌見せファッションが適さないと店側に判断されることもあります。また男女とも床(畳や床板など)を汚すおそれから、座敷での素足は歓迎されません。 これらのドレスコードはホームページで事前に確認しておくと安心です。

多くの高級店でドレスコードが指定されています。

また日本では、強い香りを発するものは周囲から忌避されます。香水、匂いの強いヘアケア製品や制汗剤、食前・食中のたばこなども控えてください。特に寿司や懐石料理など、繊細な香りを大切にする和食では、香水等の強い香りの影響で味わいを損ねてしまうことにつながりかねません。

食事中のふるまい

日本では、食材や料理の作り手に感謝の気持ちを表す意味で「食べ物を残さず、きれいに食べること」が大切とされています。必要以上に注文しすぎないように、注文前に料理のサイズがわからない場合は、スタッフに確認することをおすすめします。「思ったより多かった」という状況を防ぎ、フードロスの予防にもつながります。

もしお箸や、日本独自のカトラリーの使い方がわからなかったら、遠慮なくスタッフに聞いてみてください。

日本の飲食店では、静かで落ち着いた雰囲気を好む傾向があります。店内での大きな声での会話や笑い声は控えめに。隣のテーブルとの距離が近いことも多いため、声のトーンを落とすなど周囲への配慮が必要です。カウンターのように、別のお客様が近くにいる席で鼻かむときは、静かにそっとかむか、洗面所に行って鼻をかむようにしてください。

料理や店内を撮影するときは、他の来店客やスタッフが映り込まないように気を付けましょう。一言断ってから撮影するのがスマートです。

食事を静かに楽しみ、周囲へ配慮するのが日本流のふるまい。

日本では、飲食店の床に直接ごみを捨てるという習慣はないので、食べ残したものは器においたまま、床に落とさないようにしてください。 
また、食べ残しの持ち帰りも日本では一般的ではありません。衛生上の理由や、食材の鮮度を重視する文化が背景にあります。やむを得ず余ってしまい、どうしても持ち帰りたい場合は、お店に相談してみましょう。(お持ち帰りはお客様の自己責任でお願いします。)

卓上に置かれている醤油、七味、つまようじ、紙ナプキンなどは決して持ち帰らないでください。これらは店の備品で、店内で利用するために置かれているもの。持ち帰る行為は、今後訪日する旅行者への印象すら損ねてしまいかねません。

水は店内で無料で提供され、店によってはセルフサービスで給水器を利用できることもありますが、マイボトルなどで大量に持ち帰るなどの行為は避けてください。

東京の飲食店では喫煙についても注意が必要です。改正健康増進法・東京都受動喫煙防止条例より、屋内は原則禁煙。喫煙スペースが設けられている場合のみ利用できます。喫煙してよい場所かわからない時は、スタッフに確認を。

テーブル上の備品は店内でのみ利用するために置かれています。

東京流のふるまいで旅をもっと楽しく

日本では、「お店や周囲のお客様を思いやる」ことを大切にし、日本独自のふるまいが必要となる場合があります。しかしこれらのルールは、決してゲストに窮屈な思いをさせるためのものではありません。来店されるお客様全員が気持ち良く、最高のサービスを受けられるよう、飲食店とお客様、またお客様同士での気遣いを形にしているものです。

日本独自の配慮や習慣を知っておけば、あなた自身も、そして周囲の皆さんも、東京での食体験がさらに心地良く、忘れられない思い出になるでしょう。習慣の違いを楽しみながら、言葉を超えた心で東京の食文化をぜひ体験してください。

エチケットやふるまいを知ることは、その土地の文化を深く味わうために開く扉です。

監修
諏内えみ すない えみ
マナースクールEMI SUNAI 代表。マナー、ふるまい、会話、社交、テーブルマナーやパーティマナーのレッスン等を行う。

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